当組合について
東京都植木農業協同組合
- 所在地 〒184-0014 東京都小金井市貫井南町1-5-20
- 電 話 042-384-0255
- FAX 042-384-0281
- 設 立 昭和47年11月2日
- 組合員数 正470 (法人3 准46名)
- 役員数 理事19名(常勤2名) 監事3名
- 職員数 7名、パート 3名、非常勤嘱託 1名
JA東京植木のここ1年
- 1 組合の事業活動の概況に関する事項
本年4月30日、34年ぶりに1ドル=160円台まで円安が進み、直後に154円台まで急騰するなど、東京外国為替市場で円相場が乱高下しました。
円安が進んでいる主な要因は、日本とアメリカの金利差にあります。日米両国とも、長期に渡り金融緩和政策をとってきましたが、アメリカが金融引き締めに転換し、日米の金利差が開いたことから円売りドル買いの動きが強まりました。
また、7月末から8月初旬にかけては、日経平均株価が歴史的な暴落となり、その後急上昇するなど金融市場は異常な事態となりました。その後、日米ともに株価は落ち着きを取り戻しつつありますが、依然、不透明感は拭えていません。
このような円安と株価下落という経済情勢の中、トヨタ自動車などのグローバル企業が過去最高益を記録する一方で、海外展開の無い中小企業では、輸入材料の高騰などでコロナ不況に引き続き厳しい状況となっています。
個人消費も4四半期連続での減少となり、ソフトウェアなどの非耐久財やサービス消費等に持ち直しの動きがみられるものの、データ偽装による自動車メーカーの出荷停止などを背景に、耐久財消費を中心に大幅減となりました。
JA東京植木の経済事業についても例外では無く、根巻材を中心に円安等の影響を受け、多くの購買品の値上げを余儀なくされました。そのような中で、(マキタなど都市部で)需要が好調な電動工具類の販売については、比較的安価で提供出来たことなどで売上を維持しました。販売部門の需要は、昨年来の傾向で、一部ハウスメーカーの主導によるカエデ類やアオダモ等の山取り樹種の引合いもありましたが、昨年の売り上げを大幅に下回りました。
指導部門は主力の委託苗木事業の他、昨年より供給量は減少したものの、五輪関連施設への材料供給が僅かながら続いています。花と緑の競争力強化支援事業については実施三年目を迎え、国立駅前の可搬式緑化ベンチ管理や供給可能量WEBサイトなどの助成申請に対して、4月24日に東京都の補助金交付決定がなされました。
2 主要事業活動の内容と成果
① 総務部門は、東京都花と緑の競争力強化支援事業が三年目を迎え、供給可能量WEBサイトをホームページで公開するなど、広報体制の充実を図りました。
② 指導事業は、主力の委託苗木事業の他、緑化関連施設への材料供給が続いており、少額ではあるものの、昨年同様、有明体操競技場改修事業への材料供給が予定されています。
③ 購買事業は、電動機械類などの販売に重点を置き、比較的安価で提供出来たことなどから、着実な実績をあげることが出来き、売上高は前年度比95%でした。
④ 販売事業は、芝生の販売が相変わらず堅調でしたが、その他の売り上げが振るわず、売上高は前年度比90.3%でした。
⑤ 市場部門は、雪のため休市があった他、出荷量の減少や価格の低下などで前年売上比85.3%に留まりました。
3 令和6年度の基本方針
本年1月1日、石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生し、震度7の激しい揺れを観測しました。この震災によって犠牲になられた方々のご冥福をお祈りすると共に、今後予想されている南海トラフを始めとする巨大地震への備えの重要性を、改めて考えさせられました。
さらに、自然災害といえば、今夏の異常な暑さについても、もはや災害レベルにあり、熱中症で連日多くの方が病院に搬送されました。そんな折、科学雑誌の「サイエンス」に、気温の上昇に伴い、ストレスを受けた植物が光合成を停止し、二酸化炭素の放出源に転じるというショッキングな記事が掲載されました。
技術革新によって、排気ガス中の有害物質を除去する技術が進んでいますが、都市部における大気汚染は中々減らず、大気中の粒子状物質(PM)やオゾンレベルは2010年から横ばいが続いているようです。このPMやオゾンレベル悪化の一因となっているのが揮発性有機化合物(VOC)であり、植物由来のテルペノイドがその主因であるということがわかってきました。
植物が空気中に放出する化学物質は、害虫や水不足、そして高温などのストレスによって変化するとされ、このVOCが排気ガスに含まれる窒素酸化物と反応してPMやオゾンの発生原因になるという訳です。
しかしながら、「植物が二酸化炭素を吸収する側から排出する側にもなる」という現象だけを捉えて、植物の効能を全否定するような論調に与することは出来ません。
自然は常に相互作用によって成り立っています。大気組成の大原則である光合成は揺るぎなく、生物にとってかけがえのないものです。ゆえにテルペノイドのようなVOCがすべて悪いのではなく、様々な方途で窒素酸化物と反応させない状態を醸成し、PMやオゾンレベルの悪化を食い止めることが重要なのではないかと考えます。
JA東京植木では、「東京にもっとみどりを」増やし、自然に親和的な社会の創造を目指して参りました。この方向性は今後も変わることはありません。
本年度も組合員とともに、都市緑化の中心を担う自負と覚悟をもって、事業を進めて参ります。