当組合について
東京都植木農業協同組合
- 所在地 〒184-0014 東京都小金井市貫井南町1-5-20
- 電 話 042-384-0255
- FAX 042-384-0281
- 設 立 昭和47年11月2日
- 組合員数 正485 法人3 准41名
- 役員数 理事24名(常勤2名) 監事3名
- 職員数 7名、パート 3名、常勤嘱託 1名 非常勤嘱託 1名
JA東京植木のここ1年
- 1 組合の事業活動の概況に関する事項
本年度のJA東京植木を取り巻く状況は、長期化するコロナ禍に加え、今年2月に突如として隣国ウクライナに攻め込んだロシアによる領土侵略戦争によって、輸出入を含む世界市場の枠組みが崩壊し、世界的な原材料不足が進行中です。
また、地球温暖化の影響で、日本の気候も次第に亜熱帯型へと変化しており、今夏、線状降水帯による降雨が東北地方を中心に全国各地で広がり、床上浸水や、地滑りによる家屋崩壊など、激甚な被害が頻繁に引き起こされました。
この気候変動による農作物への被害も甚大で、収穫期を迎えた水稲や大豆、リンゴなど約500haの田畑が水に浸かるなど、一部地域では壊滅的な被害となっています。
一方で経済に目を移すと、今年8月15日に発表された2022年4~6月期の実質GDP成長率が、前期比+0.5%(年率換算+2.2%)となり、3四半期連続でのプラス成長となりました。本年4月にオミクロン株の感染拡大が一旦収束し、行動制限のない大型連休を迎えたことで、飲食業や旅客業などの対面型サービスを中心に個人消費が増加し、経済活動を押し上げました。しかしその「成長」を真に実感することは無く、前述したように世界的な原材料不足による商品の相次ぐ値上げによって、私たち消費者の生活は、絶えず圧迫され続けています。
そして行動制限なき経済活動は、ついにコロナ感染7回目の感染爆発を引き起こしました。
私たちは経済活動とコロナ感染予防という不均衡な綱の上にあります。この構造からの脱却が、今何より求められています。
植木の業界においては、コロナショック前からの流通低迷が却って幸いだったのか、あまり大きな混乱は見られませんでした。
緑化に携わるJA東京植木としては、地元開催であったオリパラの恩恵を受けられずここまで来ましたが、東京オリンピックのレガシーとして、有明の競技場跡地への植木供給が本年秋に本格稼働するなど、徐々に明るい兆しが見えてきました。また資材値上げ前特別セールを実施し、電動工具の展示会を開催するなど、組合員目線で諸事業を推進した結果、経常利益で1,370万円を計上することができました。
2 主要事業活動の内容と成果
① 総務部門は、広報誌やホームーページなど対外広報を充実させ、適期に職員会議を行う中で職務意識の向上に努めました。
② 指導事業は、三年ぶりに開催された東京都農業祭51(植木部門)の運営を担い、委託苗木事業の推進に努め、取扱高が一昨年・昨年に比して増加しています。
③ 購買事業は、電動工具を中心に展示会や特売セールを実施し、前年売上比104.9%を実現しました。
④ 販売事業は、指導事業と協力しつつ売上向上に努めた結果、前年売上比140%の売上を実現しました。
⑤ 市場部門は、コロナの影響で休市があり、前年売上比92.8%に留まりました。
3 令和4年度の基本方針
コロナ禍になって今年で三年。マスコミでは依然として連日新規感染者数が報道され、その増減に一喜一憂するという構図が続いています。新型コロナウィルスを感染症法上の扱いで現状の「2類相当」から「5類」に変えていくという議論がありますが、これまでのワクチン接種一辺倒のコロナ対策に対して、この先、安価で扱いやすい治療薬が普及するようになれば、医療費負担の「5類」でも対応ができるようになります。肝要なのは季節性インフルエンザと同様に、新型コロナの予防・治療のサイクルがしっかり確立されることです。
植木を巡る情勢では、戦後に植えられた街路樹等が70年以上経過し、つい先だっても愛知県で倒木の被害が出たように、樹齢による経年劣化が進み、維持していくのが極めて困難な状態にあります。行政と連携した適切な更新(植替え)が求められています。
さて、今年(2022年)は、1991年の生産緑地法の改正によって「生産緑地」に指定され30年間の営農義務が設けられた土地が、その縛りを解かれ始める年です。相続税などで、それらの土地が一斉に宅地へと転用されることが無いように、日本政府は対策を行っています。
その一つが「特定生産緑地制度」で、生産緑地の指定告示から30年を迎える前に、買取り申し出ができる期限を所有者等の申請により10年間延長できるというものです。
農家が高齢になり、営農が続けられない場合でも、生産緑地法の改正により、様々な可能性が広がります。たとえば、営農における、第三者への農地の貸し出しです。
東京都内での新規就農の支援などを行っている「東京N E O – F A R M E R S !(ネオファーマーズ)」では、このような制度を利用して、今年6月に八王子市内に野菜の直売所をオープンさせました。新規就農者の野菜を扱う地産地消の店が増え、東京の農業が活性化していけば、高齢化を迎える地域経済の活性化にもつながります。
JA東京植木でも、「東京NEO-FARMERS!」を管轄する東京都農業会議や、地域の総合JAなどと協働しながら、この「2022年問題」への対応を、積極的に担って参ります。